- 作者: 阿部智里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/06/01
- メディア: 単行本
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荻原規子さんが描くところの烏の王を思い出し、たいていは人間世界で人間の姿に変化、烏の世界では烏のままであったような気がするのだが。
この物語の烏は、人間世界では烏、自分たち烏の世界では人型をとっているのだ。烏の世界で烏にならず人間に変化する意味をぐるぐる考えてしまった。
かといって、烏が烏の世界で人間に変化しなければ、この物語はおそらく喜劇になってしまう。それはわかる。
(烏の都が人間と同じ世界にあるのなら、腑に落ちるかも)
巻頭の家系図と桜花宮配置図は後半になるにつれ、もつれあってくる事件の記憶の糸をたぐるのに役立った。表紙絵は現代風ですね。新感覚なミステリー。楽しい読書でした。