うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 月下上海

月下上海

月下上海

スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海に渡った・・・(表紙文より)

魅惑的かつ知的な主人公と、彼女を取り巻く四人の男性たち。年齢、性格、職業、国、それぞれ個性が違う。性善説に裏打ちされているので、ベタだなあと思いつつ楽しんで読めた。展開のおもしろさに重点を置いたエンタテイメント作品。

「人にはどうにもならない運命がある。周りが何を言っても、本人自身が引き返そうと思っても、一度運命が動き始めたら、もうどうにもならない<中略>多分それは人間だけじゃなく、組織や国にも、あるんだろうな」(本文、新吾の言葉より)