がむしゃら落語

がむしゃら落語 (福音館創作童話シリーズ)

主人公の雄馬は、勇ましい名前とはうらはらに、とても穏やかな性格。学級委員長もしていて人気もそこそこあるらしい。あまり熱く燃えない性質ゆえに『省エネ人間』(笑)というニックネームをつけられている。
対する意地悪三人組、金田、藤田、森田は、『田んぼトリオ』と呼ばれていたりする。作者のユーモアあふれるネーミングはタイトルにもあらわれている。じつに『がむしゃら』に雄馬は初めての落語に挑戦していく。
師匠（一応）の落語家・笑八、その後輩、青い目の落語家・納豆、ハンサム女子のクラスメイト・早川さんなど、個性的なキャラが楽しい。
本番の落語のオチは危うかったが、物語のオチはきっちりきまった。『化け物使い』という落語を一度きいてみたいな、と思った。