うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

彼方の光

 11才の少年サミュエルが主人公。奴隷からの解放と自由を求め、ハリソン老人と共にケンタッキー州からカナダまで命がけの逃亡をする。

そもそもサミュエル自身はハリソンの行動に巻き込まれた形なので(何故ハリソンはサミュエルとの逃避行を選んだのか。のちに驚きの真実がわかる)、不安や恐怖がダイレクトに伝わってきて最後までハラハラドキドキさせられた。

旅の途中、二人を助けてくれる人々が現れるにもかかわらず、サミュエル視点で進むストーリーでは疑心暗鬼に成らざるを得なかった。

長編映画のエンドロールのような明るいラストが、これらすべてを払拭させてくれる。児童文学でよかった。

児童文学は、未来を人を、信じている。子供から、大人まで読める文学だ。

ひさしぶりに再読したい物語に出会った。