うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 江 姫たちの戦国

江(ごう)―姫たちの戦国〈上〉

江(ごう)―姫たちの戦国〈上〉

浅井長政と信長の妹お市の方を両親に持ち、数奇な運命を辿った茶々、初、江の三姉妹。そのうちの末妹、江が主人公。来年のNHK大河ドラマの脚本家が書いた本、前編。
一昨年の大河『篤姫』は、原作本『天障院篤姫』から書き起こした脚本だったが、来年の大河は脚本家のオリジナル・ストーリーになるらしい。この本はそのプロット版といったところか。現在オンエアされている『龍馬伝』もオリジナル脚本らしいから、NHkの新しい試みなのかもしれない。

わたしは往年の永井路子さんのファンであり、『乱紋』のお江与の方の生き方に、とても惹かれていた。来年の大河は、このお江与の方が主人公だときき、大いに期待をしていたのだった。
だが残念ながら、イメージが違った。「江」のキャラが「篤姫」のそれと重なる部分が多く、少々戸惑った。
永井路子さんの描くところのお江与の方は、華やかな姉たちの影に隠れて目立たない地味な存在でありながら、どんな運命の流れにも逆らわず、平凡であるがゆえに、したたかに生き抜いていく。静かな強さがある女性だった。
後編に期待したい。