うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 チャーメインと魔法の家

購入しても、もったいなくて、なかなか読めなかった一冊。
とうとう手に取ってしまいました。

舞台はハイ・ノーランドという魔法世界の国。主人公は本の虫・文学少女チャーメイン。
ひょんなことから、王室付き魔法使いの家の留守番をすることになり、次々と不思議な事件に遭遇する。バラバラだったエピソードがラストで見事に集約する様子はまさにジョーンズさんの真骨頂。
2008年イギリスで出版されたというこの本(翻訳されるのに5年も、かかったのですね・泣)外国ファンタジーの中で最もハンサムなヒーロー(当社比)ハウルが二十年以上のときを経て再び、ファンタジーの名手によって登場することになるのです。
魔法使いハウルと火の悪魔』『アブダラと空飛ぶ絨毯』に続く記念すべき第三巻。そして十数年前、私をイギリスファンタジーの魅力に開眼させてくれたシリーズの最終巻なのでした。
2004年宮崎監督『ハウルの動く城』以降に書かれたこの巻は、モーガンのお母さんとなったソフィーを初め火の悪魔カルシファーの大活躍など、前二作に比べても色あせることなく、よりいっそう絢爛豪華になって帰って来てくれました。(なかには映画の影響もあったのではないかと思われる表現もあり、うれしく思いました)
ジョーンズさんは、2011年魔法の国へ永遠に旅立たれてしまわれたけれど、物語のソフィーたちは現在もこれからも私たち読者の心に生き続けてくれるのです。
時間があったら、もう一度また、彼らに逢いに行こう。そう思いました。

ジョーンズさんはきっと今回も、佐竹美保さんの表紙イラストを喜んでらっしゃるだろうなあ。