- 作者: J.K.ローリング,J.K.Rowling,松岡佑子
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 2000/09/01
- メディア: ハードカバー
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1999年、初めて『ハリー・ポッターと賢者の石』が日本で出版されたとき、友人が興奮した様子で「今世界的に人気のある児童書なの。読んでみる?」と、貸してくれた。そのときわたしはルイス・サッカーの『穴』を読んでいる最中で、『賢者の石』を読んだあとも、『穴』の方がずっとストーリー的に深みがあっておもしろではないか、という感想を持ったのだった。
だからこの二巻を手に取ったときも、図書館で借りたのだったし、ただ評判だからという世評に押されて興味本位で読んだのだ。
ところが、これが予想外におもしろかった。一学年に一巻という物語のパターン。伏線が沢山張られていて最後に結びつくという小気味良さ。同じように繰り返される始まりと終わり。日常と非日常の落差。謎が謎を呼び、次の巻へと繋がっていく、お約束なラスト。
今から思えば、この2巻目『秘密の部屋』から、このシリーズのファンになったのかもしれない。
☆印象的なシーン&言葉
ふくろうのエロールがポトリと床に落ちたのを見たロンのひとこと。「悲劇的だよな」
ハッフルパブのアーニーのするどい推理。「闇の帝王がもう一人いて、競争になるのがいやだったんだ」
ハリーがマグゴナガル先生を上手くごまかしたときのロンの感想。「あれは君の作り話の中でも最高傑作だったぜ」
ダンブルドアがハリーへ。「自分がほんとうに何者かを示すのは、持っている能力ではなく、自分がどのような選択をするかということなんじゃよ」
☆閑話休題
映画化されてから再読すると、キャラクターがすべて映画俳優さんに脳内転換されてしまうのがうれしいような、少し残念なような、複雑な思いがする。