うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 街の灯

街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)

街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)

チャップリンの映画『街の灯』をもう一度、鑑賞したくなりました。
ずいぶん前に、テレビで観たとき、無声映画にもかかわらずとても感動したのを覚えています。
北村薫さんは「スキップ」「リターン」しか読んだことがないのです。読書仲間のみなさまが絶賛されている、今回直木賞を受賞された「鷺と雪」を読む前提として、やはりシリーズの最初から読み進める必要を感じたのでした。
昭和初期あたりの上流階級が舞台という設定も魅力的ですが、まるでその時代にタイムスリップしているような、リアリテイ溢れる文章が秀逸でした。
参考文献の冊数を見れば、かなりの資料を読み込まれて書かれたことがわかります。それを消化し、物語として生まれ変わらせ、文章に現すことができるなんてすごい!と思いました。
田中博さん解説の『日常の謎とリアリテイのメカニズム』というタイトルが、ぴたり当てはまりました。
三部作ということなので、次の巻を読むのが、とても楽しみになりました。ベッキーさんと<わたし>の今後の活躍を期待してます。