- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (112件) を見る
美しく丁寧な文章にうっとり・・・。主人公、英子の目を通じて、読者である私も、昭和十一年にタイムスリップしたような臨場感を味わった。英子のいる「現代」は、すでにわたしたちにとって歴史でしかないのだけれど、これからの英子たちの行く末を考えると心が痛む。
「別宮には何もできないのです。<中略>お出来になるのはお嬢様なのです。明日の日を生きるお嬢様方なのです」
ベッキーさんのこの言葉は、ひょっとしたら、北村さんご自身から読者に渡されたメッセージなのかもしれない。