うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

2023-01-01から1年間の記事一覧

つるばら村のパン屋さん

つるばら村のパン屋さん (わくわくライブラリー) 作者:茂市 久美子 講談社 Amazon 甘いパンの香りがページを繰るたび漂ってくるようでした。やさしくて温かな物語。美しい挿絵も素敵でした。 つるばら村シリーズ初めて読みましたが、続けて他の物語も読んで…

ニューギニアから石斧が消えていく日

ニューギニアから石斧が消えていく日―人類学者の回想録 作者:畑中 幸子 明石書店 Amazon 『女二人のニューギニア』を読んで畑中幸子さんの著書も読みたくなって手に取った。 出版は2013年。副題が『人類学者の回想録』とあるように、1965年~198…

女二人のニューギニア

女二人のニューギニア (河出文庫 あ 35-4) 作者:有吉 佐和子 河出書房新社 Amazon 再読なのだが詳細はほぼおぼえていなかった。まるで初読みのように楽しめた。とぼけた感じのユーモラスな挿絵もそのままでうれしかった。現代のヨリアピはどうなっているのか…

バンピー

バンピー 作者:いとうみく 静山社 Amazon 軽快な会話と文の歯切れの良さが、シビアな展開を明るい雰囲気に保っている。複雑な大人の問題が絡んでくるあたりから、兄妹の絆部分が少しかすんできたのが惜しい。父親は最後まで姿を現さなかった。続編があるのな…

ガリバーのむすこ

ガリバーのむすこ 作者:マイケル・モーパーゴ 小学館 Amazon ガリバー旅行記を土台にしたファンタジー。テーマは現代にある。 児童文学から描くヒューマンな物語。

未曾有の出来事 ~三谷幸喜のありふれた生活17~

三谷幸喜のありふれた生活 (17)『未曾有の出来事』 作者:三谷 幸喜 朝日新聞出版 Amazon 2019年2月~2020年9月まで朝日新聞掲載のエッセイ№17。映画・ドラマ・舞台にと今回も幅広い話題が満載。ときどき息子さんのエピソードも加わり微笑ましい。コロナ禍で…

こえてくるものたち 翔の四季 冬

こえてくる者たち 翔の四季 冬 作者:斉藤 洋,いとう あつき 講談社 Amazon 翔の四季冬編。不思議でちょっとゾクッとする展開はいつも通り。今回はかまいたちが登場。夏、秋編よりユーモアが加増したかなと感じた。 ネタバレ注意↓ 翔(音が時間差で聞こえる能…

奉還町ラプソディ

奉還町ラプソディ 作者:村中 李衣 ビーエル出版 Amazon 昭和の香りがする奉還町商店街。そこに住む人々(おもに高齢者)の姿が生き生きと、ときに詩的に描かれる。 現実と淡いの境界線におおらかで温もりのある暮らしが浮かんでくる。主人公のさとるとあつし…

実家じまい終わらせました!

実家じまい終わらせました!大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方 作者:松本明子 祥伝社 Amazon 元気なうちに身辺を整えておかなくてはと思った。 松本さんご自身の体験談から始まって、各専門分野の方々との対談、章ごとのまとめなど…

神隠しの教室 (再読)

神隠しの教室 (単行本図書) 作者:山本 悦子 童心社 Amazon 再読は基本アップしないのですが今回は例外として(^^♪ 2017年に初読み。前回の感想にも書いたのですが、活字が小さく分厚い本なのに、あっという間に読まされてしまう。物語力が深く強いのです。 登…

ヨゾラ物語ファイル1 オンボロボットは泣かない

ヨゾラ物語ファイル オンボロボットは泣かない (ヨゾラ物語ファイル 1) 作者:藤 真知子 ポプラ社 Amazon ロボットと人間たちの友情。未来を通して現代が透けて見える。家族愛、環境問題、ヤングケアラー、高齢者社会、資源再生。タイトルの前につく『ヨゾラ…

こいごころ  しゃばげシリーズ第21弾

こいごころ【しゃばけシリーズ第21弾】 作者:畠中恵 新潮社 Amazon シリーズ毎回楽しんで読んでいます。今回はキャラクター総出演って感じの「せいぞろい」、妖しのせつない恋「こいごころ」が印象に残りました。 次の巻では、そろそろ登場人物表が欲しいと…

あやし、おそろし、天獄園 ~銭天堂番外編~

あやし、おそろし、天獄園 作者:廣嶋玲子 偕成社 Amazon 人気シリーズ『銭天堂』の番外編。怖いエピソードがほとんどだが、よどみさん、紅子さんがそれぞれ登場する『闇憑きポップコーン』『とある駄菓子屋にて』はホッとする展開だった。 いつも思うのだが…

たりる生活

たりる生活 作者:群 ようこ 朝日新聞出版 Amazon 引っ越しに伴う越えなければならない壁。前期高齢者となった作者にとってそれは130箱にもおよぶ不用品の仕分け・処分だった。 終活前哨戦の切実な生活エッセイ・・・( ..)φメモメモ

湊かなえのことば結び

湊かなえのことば結び 作者:湊 かなえ 角川春樹事務所 Amazon 本は分厚いし、活字も小さいのだけれど、とても読みやすかった。 家族・母校・淡路島・創作・読書・登山・旅行・音楽・人との出会いetc. 小説家・湊かなえさんの<ことば>がぎゅっと詰まった一…

100年後も読み継がれる 児童文学の書き方

100年後も読み継がれる 児童文学の書き方 (立東舎) 作者:村山 早紀 リットーミュージック Amazon 将来、児童文学作家を夢見る子供たちへ。綴られる言葉は語りかけるほどに、やさしくあたたかい。書き方のノウハウというよりは心のあり方。児童文学好きとして…

黒紙の魔術師と白銀の龍

黒紙の魔術師と白銀の龍 作者:鳥美山 貴子 講談社 Amazon 折り紙から創造・構築された和製ファンタジー。主人公・悠馬がクラスメイトの啓図と共に古からの謎を解き明かしていく。この二人がうつしみという少女と不思議な縁で出会う中盤あたりから、少しづづ…

お墓、どうしてます? キミコの巣ごもりぐるぐる日記

お墓、どうしてます? キミコの巣ごもりぐるぐる日記 (集英社文芸単行本) 作者:北大路公子 集英社 Amazon 2020・2021年、世の中はこんな感じだったなあと振り返る。 北大路さんご自身もお父様や親しい友人を亡くされ大変な時期だったらしい。 どうにもならな…

ごはんを食べにおいでよ

YA

ごはん食べにおいでよ 作者:小手鞠 るい 講談社 Amazon 料理・環境・本・創作。小手毬るいさんの「好き」が詰まった一冊。 悲しいエピソードもあるけれど、それらを包み込むように焼きたてのパンの香りがやさしい。巻末の読むレシピ集とあとがきもよかった。…

鎌倉残影

鎌倉残影 歴史小説アンソロジー (角川書店単行本) 作者:朝井 まかて,澤田 瞳子,葉室 麟,諸田 玲子,武川 佑 KADOKAWA Amazon 鎌倉時代をテーマに五人の作家が物語を紡ぐ。 短編だが各々の個性が光った。 葉室麟さんの『女人入眼』が印象に残る。 凛とした北条…

70歳が老化の分かれ道

70歳が老化の分かれ道 (詩想社新書) 作者:和田秀樹 詩想社 Amazon なるほど、と感心したり、う~ん、と少し首をかしげてしまったり。 どちらにしても高齢者を長年診てきたお医者様の言葉は含蓄があって面白かった。 セロトニン大事!

追憶の烏

追憶の烏 八咫烏シリーズ (文春e-book) 作者:阿部 智里 文藝春秋 Amazon 構成も文章もすばらしい作品に変わりないのだが、キャラクターにはそれぞれ培ってきた愛着があるので容赦ない展開にへこむ。 『赤毛のアンの手作り絵本』を読み返して、へこんだ心に応…