- 作者: たつみや章,東逸子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/10/23
- メディア: 単行本
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『イサナと不知火のきみ』の続編。『月神シリーズ』『神様シリーズ』とともに『海神シリーズ』になるのでは、と期待していたが、この巻で完結してしまった。勧善懲悪であっさり片付けてしまうには惜しい内容と文章のグレードだった。
読者対象は、子供から大人まで幅広く読まれる本だったはず。書き込まれなければならないものが、多くそぎ落とされてしまった感がする。龍のヒコナとイサナの関係が目立ち、クレとイサナ、ふたりの関係の印象が薄い。クレの話し言葉が、会話が上手になっていたのにも関わらず、最後までカタカナだったのが残念。
敵対するものにも、事情と背景があったのではないか。(あとがきで、ふれられているが)書かれていない(あるいは書きたかった)エピソードが、他にもあったのではないかと思う。
日本の児童文学で海洋冒険物という異色のファンタジーに挑んだ作品だっただけに、きれいにまとめてしまったのは、もったいないと思った。(辛口なのはファンだからです。すみません)
最後に。。。『浦島太郎』の龍宮城を彷彿するような、有明の宮の描写は華やかで、美しかったです。