うたたね日和♪読書メモ

本との出会い徒然に

 荒野

荒野

荒野

第一部 山野荒野 十二歳。大人。以前。
第二部  〃   十四歳。大人になる、すこし前。
第三部   〃   十六歳。時は流れた。

桜庭一樹さんの文章はときに詩のようだと思う。小説は全編、荒野視線で書かれている。荒野を取り巻く環境、大人たちのあれこれは、けっこうドロドロしているが、荒野の心はまるで見えないフィルターでもしてあるように、さらさらと風なびく草原のように穏やかだ。名前は荒野だけど。
やせっぽっちの黒メガネの少女が一年一年、時の階段を上るたびに大人の女性に近づいて行く。
内容には関係ないが、「うさまん」「イチゴクリームあんみつ」「たらこスパ」おいしそうな食べ物がたくさん出てきた。